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排出事業者に対して優良な処理業者であることのアピール材料として使えるのが、「優良産廃処理業者認定制度」です。ここでは制度の概要をはじめ、認定基準や認定を受けるメリット、認定を受けるための手順などを解説します。
優良産廃処理業者認定制度の目的は、「優良な産業廃棄物処理業者を評価し、産業廃棄物の処理の適正化を図ること」。もっと簡単にいえば、「排出事業者が優良な処理業者を選び、適正な処理を行えるよう、国の評価基準のもと優良業者を認定しよう」というもの。
つまり優良産廃処理業者認定制度によって認定された処理業者には一定の信頼を置けるため、排出業者は処理を委託する業者を選びやすくなるのです。
また、認定される処理業者にとってもメリットがあります。優良認定された処理業者には優遇措置が講じられ、産廃処理業許可の有効期間延長などを受けられます。
優良産廃処理業者認定制度を設けることで、「排出事業者」「処理業者」「行政」への効果が期待できます。排出事業者は処理業者を選びやすくなるだけではなく、処理費用の安さだけではなく適正処理を行うことの重要性を理解できます。
また、優良認定された処理業者は優遇措置を受けられるだけではなく、循環型社会を支える業態へと自己構造改革を行うことができるでしょう。
さらに行政は、処理業者の育成を行いながら不法投棄や不適正処理の撲滅へと取り組むことができます。
優良産廃処理業者認定制度は、産業廃棄物処理業に関して優れた能力と実績を持つ処理業者を都道府県知事や政令市長が認定する制度です。産業廃棄物処理の適正化を図ることを目的に2010年に創設され、排出事業者にとって安心して委託できる優良な処理業者を見つけやすい環境づくりにも貢献しています。
優良産廃処理業者として認定を受けるには、通常の許可基準に加えて、以下の5つの基準をすべて満たしている必要があります。
優良産廃処理業者として認定されると、次のようなメリットがあります。
優良業者として認定されるには、現在受けている許可の更新の申請時にあわせて優良基準に適合している旨の認定申請を行ないます。申請先は、産業廃棄物処理業の許可を受けた都道府県・政令市です。
優良認定の申請では、都道府県・政令市が優良基準を適合していることを確認できる必要書類を提出。その後、都道府県・政令市が審査を行ない、優良基準に適合していれば優良マークのついた許可証が交付されます。
優良産廃処理業者認定制度のもと認定されると、「優良さんぱいナビ(さんぱいくん)」にて以下の情報が公表されます。
なお、優良さんぱいナビ(さんぱいくん)では、優良認定を受けた業区分や電子マニフェスト対応、業者番号、処理業者名から優良認定業者を検索し、詳細を閲覧することができます。
優良産廃処理業者認定制度は「排出事業者が安心して委託できる優良な処理業者を容易に選択できるようにする」ことを目的につくられた制度です。
そのため排出事業者はただ処理業者を探すだけではなく、優良認定されている処理業者を求めて公開情報を閲覧します。ただ、優良認定事業者の登録は多数あり、排出事業者はどの処理業者を選定すべきか悩んでしまいます。優良認定された処理業者としても、自社を選んでもらうためにどんな項目に着眼されているのか理解すべきでしょう。
そこで、公開情報のなかで選定時に着眼されるポイントについて解説します。
会社情報は正しく登記されていることが大切。また、適正に事業活動を行っているかを確認するため、名称の変更を不必要に繰り返している・代表者が頻繁に変更されているなどの場合は変更理由を確認されます。
許可証では、有効期限内の必要な許可を受けているかを確認されます。また、依頼できる産業廃棄物の種類も確認されます。排出事業者は処理業者の許可範囲を確認せずに産業廃棄物の処理を依頼した場合、許可されていない廃棄物を委託してしまうと罰則を受けます。そのため、許可証の確認は排出事業者にとって重要なポイントになっています。
まず、委託しようとしている廃棄物の種類や量を、適正に処理できる能力が処分業者にあるかを確認します。また、最終処分までの処理行程が明確か、リサイクル手段やリサイクル率、フローはどうなっているかも確認されます。
さらに、施設の適切な維持管理をしているか、環境保全上問題が発生していないかも重要なポイントだと考えられます。
健全で持続可能な財務状況を維持しているかどうかを確認されます。たとえば財務状況がマイナスだけではなくプラスに大きく変化している場合も、「なぜ大きな変化があったのか」を確認し優良であるかを判断します。
料金において最も大切なポイントは「提示されたコストの妥当性」です。排出事業者は「処理料金が安ければ優良」と考えるわけではないため、コスト算定基準や根拠なども考慮して評価します。
社内組織体制は、「社内の業務管理体制が確立しているか」「処理施設の管理体制が確立しているか」を判断する材料となります。事業計画の概要や施設及び処理の情報と社内組織図をつき合わせれば、適正処理に必要な体制や人員が確保できているかがわかります。
事業場の公開の有無や頻度に関する情報では、「処理業者が地域と緩和できるよう努力しているか」を判断できます。排出事業者としても地域社会とのトラブルによって処理に影響が出る事態を避けるため、処理業者の地域との緩和性は重要なチェックポイントです。
優良性基準適合認定事業とは、東京都が行う認定制度です。評価・認定は都に指定された公益財団法人 東京都環境公社が行っており、公平かつ中立に優良事業者を選定。認定区分には「エキスパート」と「プロフェッショナル」があり、事業内容や取組の状況に応じて評価しています。
「産廃エキスパート」は、業界のトップランナー的存在。第1種評価基準に適合した事業者を表します。また、「産廃プロフェッショナル」は業界の中核的役割を担う存在。第2種評価基準に適合した業者が認定されます。
それぞれ申請資格や審査項目、認定機関などに違いがあり、加えて東京都の優良性基準適合認定制度には申請料金がかかるため注意しましょう。
優良性基準適合認定制度(東京都) | 優良産廃処理業者認定制度(環境省) | |
申請資格 |
都内での事業実績1年以上(東京都又は八王子市、その両方の産業廃棄物処理業の許可が必要) | 事業実績5年以上(都道府県の産業廃棄物処理業の許可が必要) |
審査項目 | 遵法性・安定性・先進的な取組(産廃エキスパートのみ)・専門性(感染性廃棄物取扱のみ)など | 遵法性・事業の透明性・環境配慮の取組・電子マニフェスト・財務体質の健全性 |
審査手法 | 書面および現地審査(東京都知事指定の第三者評価機関の評価員が実施) | 書面審査(許可権者(都道府県知事又は政令市長)が実施) |
認定期間 | 新規申請者2年間、更新申請者3年間 | 7年間 |
申請料金 | 10万~38万円程度 | 無料 |
※情報参照元:公益財団法人東京都環境公社(https://www.tokyokankyo.jp/jigyo/resource-circulation/certification/haisyutsu)
広域認定制度とは、環境大臣の認定によってメーカー自らが自社製品である廃棄物を回収できる制度のことです。広域認定制度では産業廃棄物処理業に関する地方公共団体ごとの許可が不要となるため、廃棄物となった自社製品の広域的な回収が可能。廃棄物はユーザーから直接回収します。
広域認定制度の対象となる廃棄物は、「通常の運搬状況下で腐敗・揮発などのリスクがない」「製品が廃棄物となったものであり、処理を製造事業者等が行うことで廃棄物の減量や適正処理化につながるもの」などの条件を満たす必要があります。また、「2以上の都道府県区域で広域的に回収する」といった条件も設けられています。
広域認定制度と優良産廃処理業者認定制度では、内容が大きく異なります。優良産廃処理業者認定制度が処理業者を認定して処理適正化を図るのに対し、広域認定制度は製造事業者等を認定するもの。廃棄物の減量化や適正処理を目指しており、広域認定制度では製造メーカー自らが配送会社等を通してユーザーから製品を回収し、処理を実施します。
優良産廃処理業者になるには厳しい基準をクリアしなければいけないため、サポートがないまま認定取得を目指すのは大きな負担がかかります。確実に優良産廃処理業者として認定されるには、産業廃棄物に関する専門知識や技術を持ったコンサルタントを活用するのがおすすめです。
コンサルタントを頼ることで自社に合ったサポートを受けられ、自社だけで取り組むよりもコストや負担を抑えながら認定取得を目指せます。
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面倒な申請、頭を抱える計画書の作成など、自社で対応することは当然ながら、
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会社名 | 無料相談 | 申請代行 建築 コンサル |
有資格 | 加盟団体 |
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