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2015年に国連サミットで決まった世界的な目標SDGs。ここでは、企業がSDGsを実践することのメリット、企業におけるSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」の重要性、代表的な企業におけるSDGsの取り組み事例についてご紹介しています。
SDGsとは、2015年の国連サミットで決まった世界全体の目標の一つ。「持続可能な開発」を達成するために、2030年までに17の目標を達成しようという試みです。
「持続可能な目標」とは、簡単に言えば、「今だけではなく、未来もずっと続けて行ける目標」のこと。貧困問題を解決すること、誰もが質の高い教育を受けられるようにすること、クリーンなエネルギーを作ること、製造者と消費者が自分に責任を持つこと、不平等をなくすこと、気候変動の対策に取り組むこと等々、大きく17のテーマに分けて「今だけではなく、未来もずっと続けられる目標」を掲げたものが「持続可能な目標=SDGs」です。
これらの目標は、国や地域に関わらず、個人か会社かを問わず、すべての活動主体が達成を目指すべきものとされています。
SDGsに共感して具体的な活動を続けることは、地球環境や人間生活を豊かにしていくだけではなく、企業にも様々なメリットをもたらします。具体的なメリットとしては、主に次の4点が挙げられるでしょう。
価値観が多様化した昨今、企業の評価基準は、単に利益率だけではなくなっています。とりわけ株主や顧客、取引先などからは、社会貢献や地球環境問題への取り組みなど、利益とは直接関係のない活動をすることが求められるようになりました。
SDGsの達成を目標にして具体的な取り組みを実施することは、企業のブランド価値の向上へとつながることでしょう。
従来の一般的なビジネス目標は、「現役世代のニーズを満たす」ことにありました。一方でSDGsを基にしたビジネス目標は、「現役世代のニーズを満たしつつ、将来の世代のニーズも満たす」という形になります。
これにより、今までなかった新たなビジネスフィールドが広がることになり、企業には新たなビジネスチャンスが生まれることでしょう。「持続可能なビジネス」というスタイルも開発されるのではないでしょうか。
日本はもとより広く世界中の企業や個人が取り組みを始めているSDGs。将来的にはSDGsへの取り組みが一般的になることが予想される中、SDGsに取り組んでいない企業は時代から取り残されるリスクがあります。
将来的に生じうるリスクを回避できるという点で、SDGsへの取り組みは企業にとってのメリットと考えることもできます。
昨今の若い世代は、それ以前の世代に比べて、環境問題や貧困問題、ジェンダー論などに強い関心を持っています。就職活動に関するあるデータによると、「就職企業を選ぶ際に重視した点」として、回答者全体の6.4%が「SDGsへの取り組み」を選んだとのことです。
採用する企業側の現役社員のうち「SDGs」という言葉を知っている人は、果たして全体の6.4%もいるでしょうか?採用側が思う以上に、若い新卒世代は企業のSDGsへの取り組みに注目しています。
廃棄物の減少は、規制や取り締まりを強化することだけでなく、SDGs活動に含まれる3R(Reduce=発生抑制、Reuse=再使用、Recycle=再生利用)の推進によっても実現することができます。
Reduce(リデュース)は、生産活動を行う際、使用する資源の量を少なくしたり、廃棄物の発生を抑える努力をすることです。Reuse(リユース)は、一つの製品や部品を何度も繰り返し使用することです。それを可能にする製品開発や技術開発もリユースに含まれます。
Recycle(リサイクル)は、廃棄物の中から使える物を取り出して使用することです。資源を再生使用するマテリアルリサイクルや、廃棄物の焼却時に発生する熱エネルギーを回収するサーマルリサイクル等がこれに該当します。
3Rは、限られた資源を大事に使いながら、経済や産業の発展を促し生活を豊かにするための方法として、近年注目を集めています。それだけでなく、産業廃棄物を減少することにも大いに関係しています。
すなわち、物を大量生産・大量消費することを繰り返すだけの経済活動を抑制し、3Rの推進により資源の循環システムを構築することができれば、結果的に廃棄物の減少につながるのです。
SDGsには、テーマ別に17の持続可能な目標が掲げられていると説明しましたが、それらの目標の中でも特に企業にとって重要となるのが、12番目に掲げられている「つくる責任 つかう責任」と言われる目標です。
産廃処理会社を含め多くの会社は、これからの事業を展開するに際し、このSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」が大きく、かつ直接的に関わってくることになるでしょう。
1970年代以降、地球上の生態系が1年間で生み出す資源の量に対し、人間が1年間で消費する資源の量のほうが、圧倒的に多い状態が続いています。
現在の人間が1年間を過ごすためには、地球1.6個が必要になる計算。つまり、私たち現代人は、将来の人間が使うべき資源を先取りして消費している、ということになります。
このような状況を打開するためには、生産者側と消費者側が、それぞれ自らの活動状況を見直すことが必要です。たとえば食品ロスを打開するためには、消費者による無駄な買い過ぎを抑制しなければならず、同時に、生産者側は食品の生産量を抑制しなければなりません。食品に限らず、人間社会で生産されるものは、すべてSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に関わっていると考えましょう。
廃棄されるものをコントロールすることがSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」であるとするならば、産廃処理への取り組みは、この目標達成に大きく関連していることが理解できるでしょう。
SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に取り組んでいる会社をピックアップしました。それぞれの具体的な取り組みを見てみましょう。
事業活動を通じて生じる廃棄物や汚染物質を軽減させるとともに、資源の再利用・リサイクルを推進しています。また、再生資源の購入や、そのための仕組み作りにも取り組んでいます。
グループ全体における環境中期目標は、食品工場・物流センターから排出される廃棄物のリサイクル率を99%以上に維持すること。また、国内食品工場における動植物性残渣の削減も目標として掲げています。
廃棄物を貴重な資源ととらえ、資源となりうる廃棄物を回収、またはエネルギー源として利用する取り組みを行っています。具体的には、循環型社会形成推進基本法に従い、半導体やプリント基板の製造工程で発生する各種廃棄物を削減するため、再利用を行ったり必要な設備を導入したりなどしています。
再利用が不可能な廃棄物については、処理委託業者に適正な処理を依頼。契約通りの処理が行われていることを確認するため、定期的に処理場の現地監査を行っています。
高効率塗装機や高効率合金炉の導入、切削油のロングライフ化、潤滑油の再生装置の設置などを通じ、廃棄物そのものの発生量を減らす「源流削減」や工程内リサイクルを実施。それら工程を経ても生じてしまう廃棄物については、徹底的に分別して資源化を推進しました。
20年以上にわたる廃棄物リサイクルへの取り組みの結果、2000年7月、自動車業界として初めて「全生産事業所(7カ所)における廃棄物・埋立処分量ゼロ」を達成。当初の目標を1年半前倒しで達成した形でした。
「Refuse(ムダなものを購入しない)・Reduce(ごみの減量)・Recycle(ごみの再生利用)・Reuse(ごみの再利用)」を目標に掲げ、自社グループの製造工程で排出される廃棄物の具体的な削減計画を推進。子会社のソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社と廃棄物処理業者との協業により、2001年度以降、99%以上のリユース・リサイクルを継続中です。
鉄くずや廃プラスチックなどの一般的な再利用の他、汚泥をセメント材料としたり、廃酸・廃アルカリを中和剤としたりなど、多くの場合は廃棄されるものを徹底して再利用に回しています。
値下げや翌年以降への持ち越しにより、最終的には全ての在庫を売り切ることで、一切の商品の廃棄をしない方針。ユニクロにおける極端な値下げによる売り切り商法は、多くの方が目にしていることでしょう。
他にも、店内ショッピングバッグの素材に再生紙を用いたり、商品パッケージをプラスチック製から再生紙製に変えたりなど、環境問題や資源問題に配慮した具体的な取り組みを多く行っています。
国内ユニクロでは、ロードサイド店舗から生じる段ボール箱について100%リサイクルを目標に設定。外部のリサイクル会社と協力し、2017年度には実際に段ボールの100%リサイクルを達成しました。
廃棄物処理やリサイクル事業を行い、環境創造企業としてさまざまな取り組みを行っている大栄環境。廃棄物を資源として捉えており、徹底した分別とリサイクルに力を入れています。
たとえば資源循環の推進として、食品系廃棄物から堆肥を製造し野菜を育て、廃プラスチックを活用して物流パレットを製造するなどの取り組みを実施。なお、大栄環境は「2030年までに資源循環量を2015年比で2倍に当たる400,000t/年にする」という目標を掲げており、今後もリサイクル施設の増強を計画しているようです。
プラスチックバンクでは、「廃棄プラスチックを集めて収集センターに持っていくと仮想通貨をもらえる」というユニークな事業を行っています。すでにハイチやフィリピン、インドネシアなどの各国でサービスを開始。集めた廃棄プラスチックは再利用され、ソーシャルプラスチックの生産販売につなげることで収益を上げています。
廃プラスチックによる海洋汚染は深刻な問題となっていますが、プラスチックバンクを立ち上げたデビッド・カッツ氏は「汚れた海の掃除よりも、汚染源となる廃プラスチック自体を減らすべきだ」という考え。
ソーシャルプラスチックに係る事業を行うことで、これまでただのゴミとして扱われてきた廃プラスチックが「宝の山」になります。街や海に溢れる廃棄プラスチックの減少が期待できるでしょう。
先見の明がある大企業は、自社の命運にかかわる重大なテーマの一つとして、真剣にSDGsの目標達成を目指しています。経費がかかる、人材が不足している等の理由によりSDGsを軽視している企業は、近い将来、市場から淘汰される運命が待っているかもしれません。もはや、すべての企業がSDGsに真剣に取り組むべき時代が到来しています。
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